踏切事故伝説とは、電車に轢かれて胴体が真っ二つになりながらもしばらく生きていた女性の話である。
この都市伝説の元となったのは東北本線赤羽駅付近で実際に起きた飛び込み自殺である。
自殺を試みたうら若い女性は両足を切断されたが車輪に押しつぶされたために出血が止まった。
幸か不幸かこのせいで死に切れず、意識も明瞭で駆けつけた車掌の問いかけにも答えている。
結局その女性は病院に運び込まれた後に死亡するが、
あまりにも衝撃的な事件であったので都市伝説化したものと思われる。
当初は特に怖くない話だったが、これを発展させたバリエーションで恐ろしい変貌を遂げる。
女性は真っ二つになりながらも生き絶えず、車掌に助けを求めて這いよる。
恐怖に駆られた車掌は電柱によじ登って逃げるが、女性がその後を追ってくる。
そして翌朝女性を背負った車掌の遺体が電柱の上で発見されるのである。
これが踏切事故伝説のあらましであり、見てわかるようにこれだけで完成した話になっている。
だが、ここに新しい要素(この話を聞いた者の所に現れる)が付け加わった事でさらに完成度を高めることになる。
そしてこれこそが心霊都市伝説カシマレイコの標準型に他ならない。
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・『東京朝日新聞』「係官に明瞭な答え両足切断の女線路自殺を図って」1935年5月31日
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